○阿賀町大火危険気象時の消防対策要綱
平成29年9月1日
消防本部訓令第5号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 警防対策(第3条―第5条)
第3章 火災防御活動(第6条)
第4章 火災拡大時の措置(第7条―第8条)
第5章 事後措置(第9条―第10条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、阿賀町消防本部警防規程(平成17年阿賀町消防本部訓令第9号)第50条の規定に基づき、大火危険気象時における火災の警戒・防御について必要な事項を定め、その被害の防止及び軽減を図ることを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この要綱は、阿賀町消防本部部隊運用規程(平成17年阿賀町消防本部訓令第10号。以下「部隊運用規程」という。)に定める管轄区域に適用する。
第2章 警防対策
(非常警戒体制の発令基準等)
第3条 警防本部長(以下「本部長」という。)は、大火危険気象時における火災の警戒・防御のため、次の区分に従って非常警戒体制を発令する。ただし、雨又は雪を伴うとき、湿度が高いときは発令しないことができる。
(1) 第1次非常警戒体制の発令
平均風速毎秒15メートル以上の風が2時間以上連続して吹く見込みのとき。
(2) 第2次非常警戒体制の発令
平均風速毎秒20メートル以上の風が2時間以上連続して吹く見込みのとき、又は火災警報が発令されたとき。
2 本部長は、気象状況の変化に対応して非常警戒体制の発令区分を変更するものとし、気象状況が平常に復した時点をもって非常警戒体制を解除する。
(非常警戒体制発令時の措置)
第4条 非常警戒体制の発令区分に従い、次のとおり火災の警戒・防御上の措置をとる。
第1次非常警戒体制の措置
(1) 勤務時間外の職員に第1次非常警戒体制の発令を通知するとともに自宅待機を命じ、必要な職員(補佐以上)を招集する。
(2) 消防団長並びに関係機関に第1次非常警戒体制の発令を通知する。
(3) 気象情報の収集に努め、通信体制の強化を図る。
(4) 機械器具の再確認を行い、積載ホース(65mm)追加の確認等、大火危険に備えた準備を行う。
(5) 火災予防広報を行うとともに警戒巡視を行う。
第2次非常警戒体制の措置
(1) 全職員を召集し、避難誘導班や飛び火警戒班等の各部隊を編成する。部隊は阿賀町消防本部非常時防災規程((平成17年消防本部訓令第3号)以下「非常時防災規程」という。)第11条に規定する部隊編成を準用する。
(2) 火災警報が発令された時は、火の使用制限、その他火災予防上必要な事項が住民に周知されるよう火災予防広報及び警戒巡視を行う。
(火災出場計画)
第5条 消火部隊の出場計画は、次に定めるところによる。
(1) 第1出場は、部隊運用規程に規定する第1出場部隊とし、状況により同時に第2出場を指令する。
(2) 第2出場は、火災の規模、状態等により部隊を増強し出動する。
(3) 特命出場は、特命により出動する。
第3章 火災防御活動
(出場部隊の任務等)
第6条 出場部隊の主な任務は、人命救助、火点制圧、延焼拡大阻止及び飛び火警戒とし、その任務分担等は、出場順位によって次に定めるところによる。
第1出場部隊
(1) 人命救助、火点制圧を主な任務とする。
(2) 水利は、火災現場直近の水量豊富な水利に部署し、一挙鎮圧に努める。
(3) 水量不足が予想される場合は、速やかに中継隊形をとる等の措置をとる。
(4) 人命危険、避難の状況、延焼状況等の把握に努め、必要に応じて応援要請を行う。
第2出場部隊
(1) 延焼拡大阻止を主な任務とする。
(2) 水利の選定は、防火水槽、プール又は自然水利とし、付近に有効な水利がないときは、水量豊富な消火栓に部署し、必要に応じて中継送水を行うものとする。
(3) 風下側及び風横側の延焼危険対象物に予備注水を行い、延焼拡大阻止と飛び火の着火防止に努める。
(4) 第1出場部隊と同時出場を命じられた第2出場部隊の任務等は、第1出場部隊に準ずる。
特命出場部隊
(1) 飛び火警戒及び避難誘導を主な任務とする。
(2) 高いところに高所監視員を配置して飛び火の飛散状況を監視させ、飛び火火災の未然防止に努める。
(3) 風下側及び風横側の飛び火警戒のため、巡視部隊を巡回させる。
(4) 巡視部隊は車載拡声機、トランジスターメガホン等を活用して付近住民及び事業所等に自警するよう広報し、車両が進入できない小路、路地裏等は徒歩で確認する。
(5) 水利の選定は、主として自然水利に部署し、必要に応じて中継送水を行う。
(6) 常に飛び火の推移、風向き及び住民の動向等に注意し部隊相互間並びに住民等との密接な連携保持に努める。
2 各隊に共通する火災防御活動上の留意点
(1) 筒先の進入は、風横側を原則とする。
(2) 余裕ホースを十分に取り、かつ、風横側又は風下側からホースを延長する場合は、火の粉だまりができないよう配慮する。
(3) 放水は、高圧放水とする。
(4) 放水時は、管槍を2人以上で保持し、危害防止に努める。
(5) 火炎の渦、走炎の事態に備えて、退路を予定(確保)しておく。
(6) 火炎が拡大し部隊が移動する場合は、単独行動を避け、隣接部隊と緊密な連携をとって行動する。
(7) 火粉、トタン板、ガラス片等の飛散物から顔面を保護するため、防火ヘルメットの面体保護板を活用する。
第4章 火災拡大時の措置
(防御線の設定等)
第7条 住宅密集地等で火災が拡大し、大規模な火災となったときは次に定める要領により防御線を設定する。
(1) 防御線は設定する地区の地形や風向き、建物の構造、現有する消防力等を考慮し設定する。
(2) 防御線は河川、道路、公園、空地、鉄道敷等の空間を有効に活用する。
(3) 防御線を設定したことを各隊に周知し、一体となった防御を図る。
2 飛び火の状況に応じて飛び火警戒区域を定め、飛び火火災の未然防止に努めるとともに、避難する住民の誘導に当たる。
(応援要請及び誘導員の配置等)
第8条 火災が大規模に拡大する様相を施した時は、躊躇することなく各種消防相互応援協定に基づき、近隣消防機関に応援要請をするものとする。
2 応援部隊の活動を円滑にするため、集結場所に誘導員を配置する。
3 誘導員は、応援部隊を火災現場に誘導し、応援部隊がその能力を十分に発揮できるように情報を提供する。
第5章 事後措置
(残火処理、出動報告等)
第9条 出場部隊は、自隊が注水部署した周辺を再燃の恐れがなくなるまで残火処理し、撤収、引揚げは、現場最高指揮者の命令によるものとする。
2 出場部隊引揚げ開始後も、現場最高指揮者が指定した消防隊は、再燃防止のため残留警戒するものとし、警戒解除、引揚げは、現場最高指揮者の命令によるものとする。
3 近隣消防機関からの応援部隊は、原則として延焼拡大危険がなくなった時点で引揚げさせるものとする。この時、広域消防相互応援協定の様式を交付し報告を求めるものとする。
(出動報告)
第10条 火災出動した各隊の長(消防団にあっては、分団長)は、現場を引揚げた後、速やかに自隊の活動状況を広域消防相互応援協定の様式により報告する。
2 前項の報告に基づき、火災概要書を作成し、応援隊に報告するものとする。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成29年9月1日から施行する。