○阿賀町消防本部救急業務規程
平成17年4月1日
消防本部訓令第12号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号)及び阿賀町救急業務規則(平成17年阿賀町規則第120号。以下「規則」という。)の規定に基づく救急業務を行うために必要な事項を定め、その能率的運営を図るものとする。
(救急隊の運営)
第2条 消防署長(以下「署長」という。)は、消防長の命を受け所属隊員の行う救急業務を掌理し、これを指揮監督する。
(救急事故の意義)
第3条 この規定における救急事故とは、別表第1に掲げるものをいう。
(救急隊員の任命)
第4条 隊員は、別の定める資格を有する者の中から署長が任命する。
(救急隊長の任命)
第5条 消防長は、救急隊員(以下「隊員」という。)のうちから救急隊長(以下「隊長」という。)を任命する。
2 隊長は、上司の命を受けて隊員を指揮監督し、救急業務を能率的に行うように努めなければならない。
(隊員の服務)
第6条 救急業務を行う場合における隊員の服装は、感染防止衣又は救急服を着用するものとする。
(隊員の心得)
第7条 隊員は、次のことを心掛けなければならない。
(1) 救急業務に関する関係法令の規定を遵守すること。
(2) 救急業務の特殊性を自覚し、救急技術の向上に努めること。
(3) 常に身体及び着衣の清潔保持に努めること。
(4) 傷病者に対しては、親切丁寧を旨として患者に羞恥又は不快の念を抱かせないよう努めること。
(5) 業務上知り得た事項は、みだりにこれを他に漏らさないこと。
(消防長が認める者の範囲)
第8条 規則第4条第1項の消防長が認めるものとは、次に掲げる者をいう。
(1) 街頭等における傷病者で搬送の要があると認められるもの
(2) 他の車両に収容困難な傷病者及び緊急に搬送しなければ、生命に危険若しくは容態が著しく悪化すると認められるもの
(3) 傷病者で警察署から搬送の要請があったもの
(救急隊の編成)
第9条 消防長は、救急救命士(救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。)の資格を有する隊員及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定する隊員をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。
2 救急隊の構成は、救急自動車(以下「救急車」という。)1台並びに隊長、隊員及び機械員をもって編成する。
3 隊長は、消防士長又は消防副士長以上の階級にある者をもってあてる。
(隊員の訓練)
第10条 消防長は、隊員に対し救急業務に必要な学術及び技能を修得させるため、教育訓練及び病院実習を行うよう努めなければならない。
(現場指揮)
第11条 救急隊が2隊以上出場する現場指揮は、階級上位の者がこれにあたる。
(高規格の救急車の配置)
第12条 消防長は、救急隊員の行う応急処置等の基準第6条第3項に規定する応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する救急車(以下「高規格救急車」という。)を配置するよう努めるものとする。
(高規格の救急車の運用)
第13条 消防長は、心肺機能停止及び重篤等の傷病者に対しては、高規格救急車及び救急救命士をもって搬送するよう努めるものとする。ただし、所轄の高規格救急車が他の救急事故等で出場中の場合は、他の高規格救急車及び救急救命士を出場させ、ドッキング等を行い搬送するよう努めるものとする。
(救急隊の出場)
第14条 消防長は、規則第4条第1項の規定による要請を受けたとき又は救急事故が発生したことを覚知したときは、当該事故の発生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確かめ、直ちに所要の救急隊を出場させるものとする。
(出場区域)
第15条 救急隊の出場区域は、阿賀町とする。ただし、消防長が必要と認めるときは、区域外であっても出場させることができる。
(搬送順位と救急処置)
第16条 隊長は、傷病者多数の現場においては原則として症状の重いと認められる者を優先的に搬送するとともに、必要に応じて一部の隊員を現場に残留させて傷病者の保護にあたらせるものとする。
(錯乱者等の取扱い)
第17条 隊長は、当該傷病者が錯乱状態又は泥酔等のため自己又は他人及び救急隊員の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合は、警察官の出動を要請するものとする。
(関係者の同乗)
第18条 隊長は、救急業務の実施に際し、傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは、努めてこれに応ずるものとする。
2 未成年の傷病者を搬送する場合は、努めて保護者及び関係者を同乗させるものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第19条 隊長は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする。
(警察への協力)
第20条 隊長又は現場指揮隊長は、救急業務の実施にあたり交通事故、労災その他犯罪等の疑いがあると認められる場合は、速やかに警察機関に通報するとともに、現場保存に留意し、警察機関の行う捜査活動に協力するものとする。
(死亡者の取扱い)
第21条 隊長は、傷病者が明らかに死亡しているとき、又は医師が死亡していると診断したときは、これを搬送しないものとする。
(医療機関の選定)
第22条 隊長は、傷病者の搬送先の医療機関等の選定については、当該傷病者又は関係者の意思を尊重しなければならない。ただし、傷病者を緊急に医療機関へ搬送しなければ生命に危険を及ぼす、又は容態が著しく悪化する恐れがあると認められる場合は、この限りではない。
(医療機関との連携)
第23条 隊長は、救急業務の実施に際し必要と認める場合は、医師、看護師等(以下「医師等」という。)の救急現場への要請、救急車への同乗又は指示、助言等を求めるようにするものとする。
2 消防長は、円滑な救急業務を行うため、医療機関と常に密接な連絡をとるものとする。
(転院搬送時の注意)
第24条 医療機関からの要請により、当該医療機関等において現に医療を受けている傷病者を他の医療機関等へ搬送する場合は、搬送先の選定とその受入態勢の確保については、要請側において行わせるとともに傷病者の容態によっては、前条の規定により医師等の同乗を求めるものとする。
(感染症と疑われる者の取扱い)
第25条 救急隊は、傷病者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に該当する疾病(以下「感染症」という。)であることを明らかに知って、これを搬送してはならない。ただし、知事若しくは町長の要請又は消防長特命である場合は、この限りでない。
2 消防長は、救急隊が感染症又はその疑いのある傷病者を取り扱った場合は、速やかに当該診断を下した医師又は保健所長の指示に従って、当該救急隊に対し消毒方法、清潔方法その他必要な処置を行わなければならない。
(活動の記録及び報告)
第27条 隊長は、救急活動を行った場合は、救急救命士法第46条及び救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第23条で定められている記録のほか、様式第2号により救急活動報告書を作成し、消防長に報告するものとする。
2 救急活動報告書は、1年(暦年)ごとに取りまとめ記録しておくものとする。
(活動の事後検証)
第28条 隊長は、前条で定めるほかに、消防長又は当該医師が救急活動等について検証が必要であると認められる症例については、別に定める検証票に必要事項を記入し、後日検証を受けるものとする。
(傷病者の引渡し)
第29条 隊長は、傷病者を搬送し、医療機関に引き渡した場合は、搬送票をもって引渡しとし、郡外医療機関に搬送した場合にあっては搬送票を提出し当該医師の所見を聴き、救急活動報告書に記録しておくものとする。
(県及び国への報告)
第30条 消防長は、救急事故報告要領(昭和39年5月4日付自消甲教発第18号)及び火災・災害等即報要領(昭和59年10月15日付消防災第267号)に基づき、県及び国へ報告するものとする。
(災害救助法における救助との関係)
第31条 この規定に基づく救急業務は、災害救助法(昭和22年法律第118号)に適用される場合においては、同法の規定に基づく救助に協力する関係において実施するものとする。
(非常時救急業務計画)
第32条 消防長は、大きな救急事故が発生した場合における救急業務の実施について計画を作成しておくものとする。
2 消防長は、毎年1回以上前項に定める計画に基づく訓練を行うものとする。
(整備消毒)
第33条 消防長は、救急車が良好な状態にあるように点検整備するほか、次の各号の定めるところにより、積載品の清掃及び消毒を行い常に衛生保持に努めなければならない。
(1) 定期消毒 定期的に実施
(2) 使用後の消毒 毎使用後
(関係帳簿の備付け)
第35条 消防本部には、次の簿冊を備えなければならない。
(1) 救急資材受払簿
(2) 救急指定病院台帳
(3) 救急関係綴
(4) 救急出場報告書
2 救急資材受払簿は、様式第6号によるものとする。
(口頭指導)
第36条 消防長は、救急要請時に指令室又は現場出場途上の救急自動車等から、家族又は関係者に電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。
(住民に対する応急手当の普及啓発)
第37条 消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するものとする。
(医薬品等の管理)
第38条 消防長は、救急業務で使用する医薬品等について、要綱を定め厳重に管理するものとする。
附則
この訓令は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成24年3月8日訓令第1号)
この訓令は、平成24年4月1日から施行する。
附則(平成28年1月14日消本訓令第1号)
この訓令は、平成28年1月14日から施行する。
別表第1(第3条関係)
救急事故等の種別
区分 | 種別 | 摘要 |
不慮の事故 | 火災事故 | 火災現場において直接火災に起因して生じた事故をいう。 |
自然災害事故 | 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火、雪崩、地すべりその他異常な自然現象に起因する災害による事故をいう。 | |
水難事故 | 水泳中(運動競技によるものを除く。)の溺者又は水中転落等による事故をいう。 | |
交通事故 | すべての交通機関相互の衝突及び接触又は単一事故若しくは歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故をいう。 | |
労働災害事故 | 各工場、事業場、工事現場等において就業中発生した事故をいう。 | |
運動競技事故 | 運動競技の実施中に発生した事故で直接運動競技を実施している者、審判員及び関係者等の事故(ただし、観覧中の者が直接に運動競技用具等によって負傷した者は含み、競技場内の混乱による事故等は含まない。)をいう。 | |
一般負傷 | 他に分類されない不慮の事故をいう。 | |
故意の事故 | 加害 | 故意に他人によって傷害等を加えられた事故をいう。 |
自損行為 | 故意に自分自身に傷害等を加えた事故をいう。 | |
疾病 | 急病 | 疾病によるものをいう。 |
その他の事故 | 転院搬送 | 第24条による転院搬送をいう。 |
医師搬送 | 医師、看護師の搬送をいう。 | |
資器材等輸送 | 医療資器材等の輸送をいう。 | |
その他 | その他のもの(不搬送件数のうち上記事故に分類不能のもの及び誤報、いたずら等で事故等の不明なものを含む。)をいう。 |